早稲田文学新人賞速報

昨日、早稲田文学新人賞の選考会を行ってきました。選考会、といってもこの賞、選考委員はぼくひとりなので、要は市川真人編集チーフとふたりで話しあったわけです。
最終候補作は以下に発表されているとおり、14作品です。このなかから新人賞を選ぶことになっていました。
http://www.bungaku.net/wasebun/info/shou.html
しかし、長時間の討議の結果、この段階では新人賞をひとつに絞り込むことはできないという結論になりました。
そこで、ふたたび上記サイトの予選通過作31作品すべて、さらにはその選にすら落ちた200作品あまりのすべての投稿作を段ボールから引きずり出して、再検討に入りました。選考会は6時間近くにおよびました。そしてその結果、上記14作品のうちから3作品、そして予選通過できなかった作品から1作品を復活させて、その4作品を最終候補として、作者4人に連絡を取り、第2稿を提出してもらってそれを見て新人賞を選ぶことにしました。つまり、新人賞レースは延長戦に突入したわけです。
最後の4作品は、作風がまったく異なっています。きわめて乱暴に言えば、高橋源一郎風、笙野頼子風、吉本ばなな風、そしてケータイ小説風といったところで*1、バトルロワイヤルの様相を呈してきました。かくも異なった美的基準で、異なった読者層を想定して異なった目的で書かれた文章からひとつを選べというのだから、文学の新人賞って本当にヘンなものです。
4作品については、タイトルを示すだけではなく、公式サイトで内容など一部公開することにしました。追って告知があるはずです。

*1:これは本当にきわめて乱暴な印象なので作者の方は気にしないでください。