鼎談冒頭部分(hazuma)

先月と同じく、鼎談の一部を抜粋して雰囲気をお知らせします。まずは冒頭部分です。結局、ここで書かれているテーマが鼎談全体の軸にもなりました。内容はあとはお察し下さい。。。。とにかくまた長いです。。。。来月からは100kb以下の分量に戻しますよ。。。。
みなさん、01号と02号を足すとちょうど04号の分量だって気がつきました?(笑)


東浩紀(以下、東):今日は、『広告の誕生』『広告都市・東京』などの消費社会論でキャリアを積み上げられると同時に、硬派なリベラル論客としても知られ、昨年は大著『責任と正義』で思想業界に衝撃を与えた、いまもっとも注目される新世代の社会学者、東京大学助教授の北田暁大さんに起こしいただきました。本誌の読者には、昨年秋に『世界』に発表され、ネットで盛り上がった2ちゃんねる論「嗤う日本のナショナリズム」で知られているかもしれません。
 そして、もうひとりのゲストは、もはやすっかりお馴染み(笑)、本誌では半ばレギュラー化している東京都立大学鈴木謙介さんです。鈴木さんの専門はネットコミュニティ論で、著書に『暴走するインターネット』がおありです。

北田暁大(以下、北田):よろしくお願いします。

鈴木謙介(以下、鈴木):今回は前回よりも飛ばしていきたいと思います(笑)。

東:よろしく頼みますよ!(笑)
 今回は、北田暁大さんのバックグラウンドから話を始めていきたいと思います。北田さんは、奇しくも僕と同じ1971年生まれなんですね。論壇や思想をリードする社会学者といえば長いあいだ宮台真司さんと大澤真幸さんだったのですが、最近では、社会学的な知を背景として新しい世代の論客が台頭してきている。宮台さんから少し若くなって立岩真也氏、さらに若くなって稲葉振一郎氏、現代思想系だと渋谷望氏や酒井隆史氏、市野川容孝氏などが目立つところだと思います。北田さんはそのなかでもっとも若く、かつ理論志向のかたですね。そして、その新しい社会学者たちは、おおまかに言うと、ネオリベラリズム的なもの、ネオコン的な価値観がのっぺりと社会を覆い尽くす現在、どのような理論的な抵抗線を組み立てていくかということを問題としている。

鈴木:いま挙げた方々は、リバタリアン的な自由放任ではなく、広い意味で再分配政策を支持する人たちですよね。

東:そうですね。稲葉さんの『経済学という教養』を読むとよく分かるのですが、そこでの問題は、再分配政策への支持を、単なる抵抗勢力だと見なされないでいかに理論的に擁護するのか、ですね。そんな状況のなか、北田さんの『責任と正義』はひとつのマイルストーンになったと思うんです。
 ……なんか、最初から飛ばしすぎ?(笑)

05号全体の予告編は、のちid:hitomisiriingが投げる予定です。彼は彼で、なんかギリギリまでテンパってるようだけど。。。