ゼロアカ第5次関門終わりました

金曜日夜、ゼロアカ第5次関門の公開審査会がぶじ終わりました。会場で100人、ニコニコ動画を通じて400人が見守るなか、いつもながら熱気と緊張感に溢れ、イベントとしては大成功を収めたと思います。
門下生のみなさん、ご苦労さまでした。また、特別審査員の筒井康隆さん、村上隆さんにも、深く御礼を言わねばなりません。ありがとうございます。口頭試問を横で聞いていて、このお二人に頼んで本当によかったと思いました。門下生にとっても、貴重な経験になったはずです。
口頭試問の模様、発表の様子はすでにニコ動に投稿されているので、そちらを参照ください。第6次関門への通過者は、村上裕一(東浩紀枠)、廣田周作(審査員枠および会場枠)、坂上秋成(東浩紀点2位が繰り上げ)の3人です。この3人は、会場票の上位3人でもあります。
ニコ動に投稿されているのは口頭試問の様子だけで、当日のプレゼンテーションは中継されていません。したがって当日会場にいたひとしかわからないことですが、当日のプレゼンの内容は、ひとによっては事前の動画とけっこう異なっていました(もっとも変わっていたのが峰尾くんと雑賀さんです)。また、会場の雰囲気に呑まれて早口になってしまうひとも多く、動画とは様子が異なりました。
ぼくの場合、事前の動画では、廣田くんのプレゼンがとにかくずば抜けて優秀、次点でかなり離れて坂上くん、あとはまた離れて村上くんと三ツ野くんが続いて、他4人はアウトという印象で審査会に臨みました。しかし、当日のプレゼンでは、廣田くんの発表は残念なことにいささか散漫で、逆に坂上くんが堂々とした話しかたで印象が逆転しました。ぼくの席は筒井さんの隣だったのですが、筒井さんがもっとも関心をもって聞いていたのも坂上くんではないかと思います。
というわけで、坂上くんいち押しという腹づもりで口頭試問に臨んだのですが、そちらでは今度は村上くんの印象が強く残りました。村上くんは、プレゼン動画ではあまりに早口で、当日のプレゼンでも情報を詰め込みすぎの感があり、そもそもあまりに「東浩紀チルドレン」的な問題設定なのでいささか警戒していたのですが、口頭試問の過程で、そんな自分の立ち位置についてもっとも誠実に考えているというか、このひとこそがもっともしっかりとものを書いてくれるのではないかという感触を得ました。そこで、ぼくは村上くんを一番に通過させたわけです。
第6次関門は、いちおうは講談社内部でのガチの企画会議ということになっています。しかし、このゼロアカはいままで、審査過程を公開するだけでなく、一種の「祭り」にすることで人気を得てきました。その期待にも応えなければならないので、単なる事後報告にならないようにちょっと頭を捻り中です。
なお、口頭試問冒頭で果敢にも乱入し、門下生の冷たい視線にあってあえなく退場となった藤田直哉くんですが、ぼくは、彼のゼロアカへの貢献は特筆すべきものだと考えていて、本当は昨日も彼には特別賞を与えたいぐらいでした。審査員に反対意見があった――というよりもそもそも会場の支持が得られそうになかったので実現しませんでしたが、藤田くんの「活躍」がなければ、ゼロアカがいまのように盛り上がっていなかったことは事実です。
そんな彼は、ニコニコ動画に、道場破りと称して勝手に書籍プレゼン企画も上げています。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6393956
例によってネタだかベタだかよくわからない、一種異様なプレゼンですが、ぼくはこういうのは好きです。村上、廣田、坂上の3人には、のち「ゼロアカを代表したのは結局藤田だった」と言われないように、第6次関門、そしてそのあとの書籍出版でがんばってほしいものです。