「+1」通販再開

こんばんは。
最近はこちらではご無沙汰の東浩紀です。
波状言論が終わってから、毎日とてもゆったりと過ごしています。いまから振り返ると、どうしてあのころはあんなにがんばれたのか、想像もできません。事務所もスタッフから取り戻しました(笑)。
さて、標題のとおり、増刷が無事済みましたので、サイト(→こちら)での「+1」および「臨界点セット」の通販を再開しました。同時に各所に納品を済ませましたので、品切状態は解消されたと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
ところで、よく質問されるのでこれを機会に情報開示をしようと思うのですが、「臨界点」は現在2100部、「臨界点+1」は1900部です(刷り部数)。両方とも、とらのあな(おもに秋葉原店)とジュンク堂池袋店でよく売れています。読者層の中心は、『動物化するポストモダン』の読者というより、コアな美少女ゲームファンのようです。
「臨界点」も「臨界点+1」もきわめてマニアックな内容で、しかもほとんど営業をかけていません。にもかかわらず、口コミだけでここまで売れたことを考えると、オタク系作品の評論はかなり強く、しかも柔軟性の高いマーケットをもっているものと思われます。マンガやアニメは違うのかもしれませんが、少なくとも美少女ゲーム(と、おそらくライトノベル)に関しては、商業出版できちんと出せば、硬い評論本でも5000部ぐらいは売れるのではないでしょうか。
伝統的な文芸評論の部数の常識からすると、これはちょっと驚くべきことです。批評の場所はどこにあるのか、というシンポジウムにかつて参加したことがありますが、まさかこんな場所に移動するとは、だれも思わなかったでしょう。僕自身、ちょっと驚いています。「臨界点」の目標は1000部でした。