雑談2

そして、それを見て考えました。僕が「動物化するポストモダン」で本当に行いたかったのは、「解離的な人間」についての話です。僕的には、萌えとメタが不可分にくっついてしまう、そのねじれた感性に興味を覚えるのであって、萌えがすごいとか、萌えが日本の未来だとかベタに言われてもまったく共感できません。正確には、ちょっとは共感できるところもあるし、儲かる世界なのだろうからそういうことを言いたいひともいるだろうけど、物書きとしての僕はそこに近づきたいと思いません。最近ますますそう思います。あるいは、最近ますます、そのような方向で自分の仕事や記憶を再編成してしまっています。こういうのを転向というのかもしれません。
ところで、そんな僕はメタ+萌えの作品が好きなわけですが、最近編集部では『左巻キ式 ラストリゾート』(海猫沢めろん)というライトノベルが話題です。基本的にはエロゲーのスピンオフ小説なのですが、ファウスト的感性のメタエロゲーへの応用というか、太田さんの前島落選作@ファウスト賞への言葉を借りれば「因数分解」可能なのだけど、それなりに面白いことをやっています。