考える

北田暁大氏「嗤う日本のナショナリズム」(『世界』11月号)を読む。送られてきたので何気なく読んだのだが、これがかなり面白い。2ちゃんねるシニシズムと動物性が共犯関係にある空間だとする見解は、正鵠を得ているように思う。鈴木(鈴木謙介)さんなどの意見も聞いてみたいところだ。
ただし、あえて突っ込むとすれば、その観察を、シニシズムの果てに動物性が来るという、弁証法的というか大澤真幸的な(?)図式に繋げて結論づけてしまうのは、どうだろう。シニシズムと動物性の幸福な結婚は、単に戦後史の歪みを反映した日本特異の現象で、論理的必然などないものかもしれない。実際、外国には2ちゃんねるに相当するコミュニケーションの場はないと聞く。いずれにせよ、年末か年明けにお会いすることになっているので、そのときに聞いてみよう。
それにしても、「動物性はキニクの徒の演出作法だ、その核心は実存主義だ」云々というスローターダイクからの引用にはやられた。これは僕が見つけたかった!(笑)