ふたたび批評家らしく・・・

http://d.hatena.ne.jp/igi/comment?date=20031107#c
先方にも書いたけど、ここの崎山さんのコメントはさすが。どうも僕のような人文系の人間は、こういう発想ができず、すぐ原理論に向かうので議論が行き詰まってしまう。参考にしたいと思う。
もうひとつ。まだ考えがまとまっていないのでレスしていなかったのだが、
http://blog.sakichan.org/ja/index.php/2003/11/06/p60
ここで言われているのは、entitlement*1といってもidentificationとauthenticationは技術的には別の要素として考えられるはずで、そこは思想的にどうなのよ、という話。普通の言葉で言い換えれば、これは、個人を個人として特定することと、その個人が特定の社会的文脈のなかでどのような役割を担うべきか決定することは、原理的に違うはずだ、という話なのだと思う(カラタニ語で言えば単独性と特殊性の話か?)。これはちょっと盲点だったので、こっちも考えていきたいと思う。

*1:ノージックの『アナーキー・国家・ユートピア』で「権原」と訳されているもの。政治哲学の専門家でない僕の解説なので適当に聞いてほしいが、ノージックはこの本では、権原理論の立場にたって、ロールズの配分的正義を批判している。そして、ノージックロールズの対立というのは、要はリバタリアニズムリベラリズムの対立である。